外断熱の注文住宅を建てる建築会社2代目の頭の中

住み心地とか、住む人の健康とか、家族の安心安全とか、大きな資産とか、喜び感謝クレームとか、様々に満ちている業界で色々と考えています。地域のため、日本のため、世界のため、御施主様のため、社員さん職方さん業者さん大工さんのため、自分だけにしかできない事がどんどん増えていく毎日は刺激的です。

日記を書いてファンを増やす、大変だけど効果的な手段

前回、かなりご無沙汰ぶりの日記で「これからはSEOやるぜ!」と宣言したものの、具体的に何から手を打つかはまだ決まっていません。ですが、この日記だけはしっかりと書きたいと思います。
それはなぜか、きちんと理由があるのです。


黒柳建設のホームページに日記があるワケ

会社のホームページは2007年に大幅なリニューアルを行い、京都のホームページ製作会社にほとんど一から作ってもらいました。

以前のホームページは2001年に知り合いのツテでお願いしていたのですが、個人の趣味に毛が生えたようなものだったので、色々と不便だったのでこの際丸ごと作り替えたのです。2001年当時、ホームページを持つ工務店・建築会社などは非常にまれでしたので、大変先進的なことをやっていたわけです。

記念として残してあります
http://www.kuro-yanagi.info/
なんともカオティックな空間が広がっています。
今では使われていないフラッシュのプラグインがあるので、ブラウザによっては見れないコンテンツもあります。

話が逸れました。
リニューアル時にターゲットを定め、構成会議を行い、ディレクターを始めとするスタッフに綿密に取材して頂き、イチ工務店が持つには分不相応なサイトが出来上がり、長らく集客に活躍してくれました。
もちろん、写真やイラストなど全てゼロから作成したので結構な費用は掛かりましたが、コストパフォーマンスとしてはかなりのものでした。
もともと口コミ営業やイベント集客を行わない営業スタイルなので、ここ10年ほどのお客様はほとんど全てホームページで集客していると言っても過言ではありません。
導入がいい家をつくる会だったりリクルートスーモだったりしますが、基本的にはホームページからのお問い合わせを頂いてからお話がスタートしています。
それは逆にお客様はほぼ全て一見様ばかりということで、よくそんな集客で続いているなと言われますが、続いているのですから何とも弁解のしようがありません。
様々なニーズを持つ首都圏ならではの特徴だと思います。


日記でファンを増やす

前置きが長くなりましたが、2007年のリニューアル当時、製作会社の担当さんからホームページの運営についてアドバイスを受けていたことがあります。

それは「皆さんで日記を書いて、黒柳建設のファンを増やしましょう」という単純極まりないものです。

折しもネット黎明期に大流行した侍魂などのテキスト系サイトが廃れ始め、これからはブログの時代だ、WEB2.0だ、双方向型だ、クローズなネットワークだ、と盛り上がり、SNSの走りmixiも100万ユーザーを数えていた頃です。
ブログ村などのランキングや、Amebaブログで芸能人を始め個人が情報発信するのが当たり前になり始めた頃です。
その2年後にはあの初音ミクがクリプトン社によって生み出され、今ではすっかりネット発祥のポップカルチャーとして世界に広く知られるようになるとは誰が予見したでしょうか。

まあそんな時代でしたが、そこはアナログ一直線の住宅業界ですから、日記といっても本当にどうでもいい日記しか書けません。
やれ今日は何を食べただの、どんなことがあっただの、本当にどうでも良い事ばかりです。
ですが、当時工務店規模でそのような試みを行っている会社はまだまだ珍しく、半年以上日記を読んでから会社にいらっしゃったお客様もおりました。
こんな工務店の中の人のどうでもいい日常なんて誰が読むんだよ、などと思ったりもしましたが、読んでくださる方はちゃんといらっしゃったんですね。

ですから前述のアドバイスも全く的外れなものではなかったのです、それは実感しました。
しかし、「どんな」日記を書けば良いかは教えてくれなかった。
「それ」は私たちが考えなければならなかった。
そこに気づくのが随分と遅くなってしまいました。


コンテンツとして優秀で、自由で、難関な日記

では、「どんな」日記を書けば読んでくれるか、読みに来てくれるのか、ここが重要です。

そもそも黒柳建設のことを全く知らない人を読者とするにはどうすればいいのか。
また私たちはただ日記を読んでもらうのではなく、読んでもらった方の中からお仕事を頂きたい。
黒柳建設で家を建てたいな、リフォームしたいな、頼んでみようかな、連絡してみようかな、と思って頂きたい。
それは大変図々しく自分勝手な難しい願望です。

それには読者見込みの人がどんな記事を読みたがっているのかを知らなくてはなりません。
黒柳建設のホームページですから、私たちが言いたいことはたくさん載っています。
果たしてそれが本当に読者のニーズに合っているのか、またその内容に嘘偽りは無いか、誰かを誹謗中傷していないか、炎上の危険性は無いか、各種法令を遵守しているか、あらゆる角度から安全なものでなくてはなりません。

例えば、過去にあった面白い話や、困った話、苦労した話、揉めたり拗らせたりした話なんかは話せばキリが無いほどにストックがありますが、お客様や協力業者さんの話は個人情報漏洩やコンプライアンスの問題が常に付きまといます。
今では笑って話せる大失態の話も当事者にとっては今も笑い事ではないかもしれませんし、笑い事だとしてもネットで公開しても良いかとなればそうとは限りません。

大工さん職方さんも同様です。
同業他社さんを取り上げるにも、やり方を間違えると名誉毀損になりかねません。
業界の闇とか、触りだけで大炎上してしまうような取扱注意のネタなんか、怖くて向き合いたくもありません。

そうなってくると、自然と日記は無難な日常ネタや教科書通りのありきたりな話、俺はオレはの自己主張くらいしか書けるものがなくなってしまうのです。
それでは到底読者の読みたがっている記事にはなりません。
ではどうすればいいのか。そこが悩みどころです。

 

専門職の負うノブレス・オブリージュ

それとは逆に、私達は家づくりを通して地域や日本に貢献したいと願っています。

黒柳建設の家づくりは独創的で面白く、技術的にはかなりの先端を取り入れています。
いい家、住み心地の良い家、幸せになれる家、高気密高断熱住宅は、50年100年未来を見据えて建てています。
省エネ節電に非常に効果的な建物です。
そしてなにより、住み心地を重視し、住む人が健康に・快適に・安心してくつろげる家です。
それはこれまでお建てしたお施主様が口を揃えているところです。

こういった地域の、日本の、地球のためになる話題はどんどん提供した方が良いとも思います。
私達はその道の専門家なので、こういった難しい概念を噛み砕いて消費者に分かりやすく説明する義務を負っているのです。これは大変難しいですが、とても読者のニーズに合致した話題ではないでしょうか。

ユーザーファーストを考えると、やはり専門知識を活かしたお役立ち情報がベターなので、思いつくまま面白そうな話題のタイトルを考えてみました。素朴な疑問から取り扱いを間違えるわけにいかないデリケートな話題まで、誤解を生じさせないように分かりやすく面白く、なかなかハードルが高いですが、いずれコラム集として取り揃えようと思います。

禁断の住宅設備メーカー比較、工務店現場監督が選ぶメーカーは?
ぶっちゃけ施主支給って工事店はなんで嫌がるの?
よく定期点検無料ってあるけどそれって何の意味があるの?
注文住宅と建て売りって何でそんなに価格が違うの?
劇的前後ろみたいなリフォームをしたいんだけど、あれってどうなの?
ちょっとした工事でも費用が何万もかかるのは何故?
家を建てる会社とリフォーム会社って何が違うの?
なんで工務店には自社大工や自社職人がいないの?
材木や構造材が雨の日に濡れちゃうのは大丈夫なの?
手抜き工事や欠陥工事はどうして起こるの?
外壁塗装は何故しなければいけないの?

 こんな内容だと面白いでしょうか?


それでは、今回はこのへんで。


ちなみに、ノブレス・オブリージュとは貴族などの、高貴なる者の責務、といった意味合いですが、
別に黒柳一聡は高貴でも、貴族でもありません。



・・・・・あ、そういえば独身貴族だった。
独身貴族のノブレス・オブリージュってなんだろう?