高気密高断熱住宅が健康に良いと感じる自身の経験 ②花粉症編
「昔はアトピーやアレルギー、花粉症なんて無かった!最近の若い奴は体がたるんでる!」なんて言うご年配の方がいらっしゃいますが、本当のところはどうだったんでしょう?
ホントに無かったのか、あったけど名前が付いてなく認識されてなかったのか、他の病気と混同していたのか、どうにも怪しいものですね。
逆に今の子育てでは、新生児の時にどんな疾患や危険性があるのかをしっかり調べて対応するそうですね。
アレルギーも該当食品を適量ずつ与えたりして、発症しないようにするとのことでした。
子育ても日進月歩、スゴイスピードで進化していくので、新米親世代とその親世代ではスマホと黒電話くらいの格差があるみたいです。
健康住宅シリーズ第2弾
最近知ったのですが、花粉症とは目・鼻・喉などの器官が花粉にも過敏に反応するアレルギー反応を引き起こす一連の症状を言うそうですね。てっきり花粉症という名前の一つの症状だと思っていました。「花粉症は大変だな、自分はアレルギー性結膜炎とアレルギー性鼻炎だけでも辛いのに・・・」などと全く的外れなことを考えていたものです。こういった症状を総称して花粉症と言うのですね。衝撃の真実でした。しかし、そうとわかれば花粉の時期に結膜炎と鼻炎を発症していたことに、ようやく説明がつきました。原因がわかれば、次は対策です。花粉症対策の第一に大切なこと、それはもちろん花粉を体内に取り込まないことです。特に呼吸による摂取を重点的に阻止することです。日本人がマスクをする時期
日本に来た外国人がビックリすることの一つに、花粉症とインフルエンザの時期にはみんながマスクをしていることだそうです。外気中の花粉を防ぐのにはマスクによる遮断が最も簡易で効果的です。花粉の時期には街はマスクマンで溢れ、知人は薬の副作用が辛いと嘆きます。眠くなるし、頭がボーっとするしでパフォーマンスが激落ちするとのことです。なにか根本的な手は無いのかと考えたりしますが、杉と檜を日本中から消し去ると我々が家を建てる材料の消失も意味するので、これは敢えて考えないこととします。現実的ではありませんし。木材としては非常に優れているのに、林業の衰退とかで伐採されずに花粉を撒き散らす悪者となってしまっているのは、杉や檜が可哀想に思えます。よって、花粉の大本を根絶する案は残念ながら却下です。隙間から家に侵入する花粉
花粉を自宅からシャットアウトするには、空気清浄機をフルパワーにするよりも前に、外から室内への流入を防ぐことが第一です。そうなると、建物全体でハガキ1枚程度分の隙間しか無い高気密住宅がその真価を発揮します。気密住宅は計画換気により、空気の流入経路が決まっているので、給気口に花粉マスクと同様のフィルターを取り付けるだけで、花粉を室内に入らないようにすることができます。フィルターは微細なものが出てきており、花粉除去率もかなり高くなってきています。こまめにフィルターをチェックして掃除したり交換したりしなければいけませんが、自宅で四六時中マスクマンになるよりずっと楽です。大気はこんなに汚れている
その分、フィルターには粉塵が堆積し、清掃するたびに「外気はこんなに汚れているのか」とあまりの汚れにゾッとしますが、1年間に東京ドーム一杯分の空気が150φのダクトを通過して家全体を換気するので、当然といえば当然です。むしろ逆に考えると「これだけの汚れを防いでいる」と安心の裏返しです。よって花粉、粉塵を防ぐには気密住宅は理に適っていると言えます。外断熱の家ならではの効用
他にも花粉の期間は外に洗濯物を干したりすることを避けるのですが、外断熱の家ならば室内干しでも十分に乾燥し、変な臭いもしにくいといった特徴もあるので、安心して室内干しできます。これは、気密層の内側に柱・梁などの木構造があるので、木材による調湿効果が発揮されているためです。気密層の外側に木構造のある内断熱構造では、こうはいきません。同じ高気密高断熱住宅でも、室内干しでも外断熱に軍配が上がると言ってよいでしょう。さらに涼温換気を組み合わせると、温湿度の調整もできるようになるので快適性がさらに向上します。「高気密」という言葉の誤解
しかしたまに、気密住宅は息苦しそう、という意見も拝聴します。また、ガスが充満して中毒になりそう、と言う心配も聴きます。前者に関しては全くの思い込み、後者に関しては可能性はゼロではないので注意しましょう、とお話しています。気密住宅と計画換気の関係
換気計画は人1人が出す二酸化炭素の量を基準に規定が求められています、と同時に建物の容積の1/2以上を1時間で入れ替えると言う規定があります。ですからそれを上回る量の二酸化炭素や有害ガスが発生し続ければ、当然息苦しさを感じたり中毒の危険性が有ります。そのため一酸化炭素を発生させる石油ストーブやガスストーブは、たとえff式でも万一を考慮して設置していません。これらの機器は気密性のない建物でも故障すればガスが充満してしまうので、高気密だけが悪いわけではありません。万が一の安心安全のためです。中気密住宅なんて無い
「高気密」「気密住宅」という言葉のイメージが独り歩きしてしまった弊害もあります。と主張する人もいますが、中断熱はあっても中気密などはあり得ません。気密は取れているか、いないかの2つしかないので、「高気密」「気密住宅」以外は全て「無気密」だと言っても過言ではありません。その性能はC値と呼ばれる、相当隙間面積という数字で表され、概ねC値が2.0未満なら気密住宅と呼ぶと認識されています。これは次世代省エネ基準ができた平成13年頃からの認識なので、今ではもっと少ない値が妥当だと思います。ちなみに、C値はある一定の限度を越えると、「計測不能」となり数字が出せません。「気密が悪すぎて、数値化できない」という意味です。敢えて言うのであれば、C値が計測できる範囲であれば「中気密」と呼べるのかもしれません。あくまでも「敢えて言うなら」ですが。数字自慢をするわけではありませんが、黒柳建設の建物はC値1.0は越えてはならないと決めています。建物の形状や、使っているサッシの性能にもよりますが、標準でC値0.5未満、目標値は0.2台を常に出すことです。大工工事の成績表なので、大工さんたちも結構数字を気にしています。ここまで来ると配線の穴とか、気密テープの剥がれ、玄関ドアと基礎コンクリートの隙間、などを全て埋め潰していくレベルの世界なので、隙間に対して細心の注意を払っていることがわかります。直近の気密測定では、C値が0.39で、総相当隙間面積は66平方cmでした。これは、建物の外皮(屋根外壁窓基礎)全部合わせて、8センチ四方の隙間しか無いという性能です。黒柳建設の平均をやや上回っていますが、まだまだレベルアップしていきたいです。気密住宅にフィルターで花粉をシャットアウト
ここまで細かく建築側で隙間を塞いでいる建物だと、外気の流入は換気のみということになり、フィルターの役割が重要であることがわかります。建物を人体と考えると、換気は呼吸、花粉フィルターは花粉マスクです。家に花粉マスクを被せ、外気の花粉を防ぎ切ることが気密住宅の花粉症対策です。次回は、③温熱環境編です。そもそも、住宅の断熱性能が健康にどう影響するのか、暑さ寒さと健康の関係についてご説明します。
新米親とその舅姑との子育ての確執は、昔の古い子育てを押し付けたりすることで勃発しちゃったるすることがあるみたいですね。
いまだに「アレルギーは甘え、食べて慣れれば治る!」なんて平気で言い放つ人ほど、そういった苦しみを抱えていないので、今に思い知ればいいのにとか思ってしまいます。