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外断熱の注文住宅を建てる建築会社2代目の頭の中

住み心地とか、住む人の健康とか、家族の安心安全とか、大きな資産とか、喜び感謝クレームとか、様々に満ちている業界で色々と考えています。地域のため、日本のため、世界のため、御施主様のため、社員さん職方さん業者さん大工さんのため、自分だけにしかできない事がどんどん増えていく毎日は刺激的です。

アパート・賃貸併用住宅を外断熱で建てる上で気をつけていること

おかげさまで「外断熱 賃貸併用住宅」でのアクセスが上昇しています。

ついでにこちらのはてなブログも上位に来ているようですが、アクセスは特に増えていないようです。

こんにちは、東京小金井で外断熱・涼温な家を建てる工務店、黒柳建設のWEB担当/システム管理者/営業/現場監督/アフターメンテナンス/OB顧客様係の黒柳一聡です。

これまでアパートを外断熱で建てることについていくつかの考察を載せました。これは今まで外断熱工法の賃貸併用住宅を建ててきた経験から学んできたことです。外断熱で共同住宅を設計・施工するには他にも注意すべき点はいくつもあります。
結構知られていないことだと思いましたので、簡単にまとめてみました。
 
 
高性能は良いことばかりではないことに注意
外断熱工法共同住宅・長屋形式のアパート・併用住宅を建てるにあたって、その高性能な特性と入居者さんの意識しない生活スタイルが悪い方向へ重なった場合、意図せず悪影響を及ぼすことがあります。
 
これは建物全体の性能が向上したために生じてしまう宿命みたいなものなので、入居者さんへの注意喚起が必要です。
また、管理を行う不動産業者さんはわかっていないことが多いので、気をつけなくてはなりません。
 
①遮音防音の問題
入居者同士のトラブルを未然に避ける
50ミリ厚の板状断熱材と二重ガラス断熱気密サッシ、気密テープで断熱気密層を施工する黒柳建設の外断熱の高気密高断熱アパートは特に防音を強調していませんが、実際防音に優れています。
 
窓を閉めていたため、二軒くらい隣でボヤ騒ぎが起きていたことに気づかなかったということも何回かあったくらいに、外界と音環境で遮断されています。
 
そのため、街中でも道路沿いでも、踏切が近くにあっても外の騒音は慣れてしまって気にならないレベルになります。
 
逆に、建物内の音がこもるようになり、アパートの上下隣の生活音が気になるようになります。
(正確に言うと、決して音が大きくなっているわけではなく、外からの騒音がほとんど無いのと、建物内の生活音が外へ逃げにくいので響いて聞こえるように勘違いしてしまうのです)
 
共同住宅長屋は隣同士の遮音壁を設けるのですが、そこにもう一手間遮音ボードやコンセントボックスの遮音カバーを用いた遮音措置に気をつけています。
スイッチやコンセントなどは隣部屋との界壁には極力配置しないような設計上の配慮も必要です。
 
アパート稼働中は入居者の属性に気をつけ、夜型職の方をご遠慮したり、入居者規定で夜間の洗濯機の使用を遠慮してもらうなどのソフト面の注意という手段があるというお話をしています。
 
②建物全体でクールシェア・ウォームシェア
灼熱の我慢大会、極寒の窓開けっ放しの禁止
建物全体の空気環境、温熱環境、音環境がある程度共有される外断熱アパートでは、音と同様に暑さ寒さも上下隣の部屋に影響を受けあいます。
また外断熱は魔法瓶の働きをしますので、建物は熱しにくく冷めにくい、冷えにくく暖まりにくいという特徴があります。
 
そんな建物で、ある入居者さんが真夏に灼熱の我慢大会や、真冬に窓を開けっ放しで生活・外出をされるとその部屋はもちろん上下隣り合った部屋にも暑さ寒さが伝播します。
 
空気の移動に伴う熱の移動は大したことないのですが、蓄熱体としての建物が冷え切ったり熱し切ったりしてしまうと、もとの状態に戻すのにそれなりのエネルギーを必要とします。
 
もちろんこれまでの建物はもっとひどかったですし、界壁には遮音用の断熱材が詰めてあるので逃げる熱はそう大きくはありませんが、せっかくの外断熱の良さを活かしきれない恐れがあります。
 
これも入居者さんへのしおりで、簡単に住み方についてのお願いを定期的にお願いするなどして、このアパートの良さを活かして快適な生活を送って頂きましょう。
 
③暖房はエアコンに一任
燃焼系暖房機器の禁止
前にもブログ日記で書きましたが、気密住宅は計画換気にしたがって空気の入れ替えを行っているので、ガス・灯油などの燃焼系暖房機器は不完全燃焼による一酸化炭素の発生、二酸化炭素中毒が発生した場合、被害を拡大させる恐れがあります。
そのため、暖房は燃焼系機器の使用を禁止しています。
 
アパートの各部屋も同様です。
灯油ストーブ、ガスストーブの使用禁止を入居者規定に大きく注意書きしておく必要があります。
 
現在は、アパートにエアコンは必須なので、エアコンが既に付いているのストーブを購入してくる入居者さんは考えにくいですが、高気密高断熱や気密住宅の事なんて全く知らないという前提で注意を払わなければなりません。
 
実際はそこまで危険ではありませんし、それを言い始めたらガスコンロも使えなくなってしまいます。ですが、機器の安全性を前提に万が一のことがあってはならないので、排除できるものは君子危うきに近寄らずです。
 
ガスコンロやカセットコンロ程度のガスの使用は問題無いと判断しています。
入居者向けしおりの中で、暑い、息苦しい、匂いがこもるようなら、素直に窓を開けて空気を入れ替えるよう促しておくなどしておいた方が良いでしょう。
 
 
 

正しく伝えることが快適な生活へとつながる

このように外断熱の賃貸併用住宅では、入居者様にも快適に過ごして頂くために、入居者様の生活についてもいくつかお願いをしております。
アパートの入居規約にはもとより、共同スペースの掲示物でお知らせするなどして、常に周知を図ることが大切です。
決まり事が多いと入居者様が嫌がられるかもしれませんが、この3つ程度のお願いをお聞き届けいただけないようでは、他のことで周囲にご迷惑をかける入居者様である可能性も伺えます。
オーナー近接の賃貸併用住宅なら、問題の生活ぶりも確認できるので他の入居者様と同じ目線で住み心地をチェックできるというメリットもあります。
 
こういった入居希望者に敬遠されてしまいそうなお願い事は、逆にそれを守って生活していただける言うような入居者様の定着にも効果があるとも考えられます。
そのような優良入居者様を大切にすることが、長期入居・満室継続のコツであるとオーナー様達から教わりました。
高性能な外断熱アパートは入居者様を狭めてしまう反面、良い属性の方が集まりやすいということが分かりました。
 
 
意外とこういった稼働してみないと出て来ない問題点は、ノウハウとしてはあっても、情報として普通の人が探せるところにはありません。
プラスばかりな面ではないので、注意する点もシェアすることは大切だと感じます。
 
きちんと正しくご理解頂き、快適な温熱環境で生活が送れるとわかると、入居者様のご協力も得やすいと考えます。