住宅ストック循環支援事業と空間ストック活用型住宅構想③
3回に渡ってまとまり切ってない内容で発表してしまいましたが、きちんと風呂敷を畳めるのかな?と心配です。
時間を置いてからじっくりと整理していきたいと思います。
空間ストック活用型住宅構想のきっかけとなった二組のお客様事例
以前のブログ日記でも紹介したOB顧客様向けのニュースレター「黒柳建設通信」の効果か、中規模リフォームや改装のお話のほかに、大規模改装・リノベーションとなるお話が目に見えて増えてきました。その中の2組のお客様の工事が、空間ストック活用型住宅構想を考えるきっかけになりました。他のOB様宅のリノベーション工事をニュースレターでご覧になって、黒柳建設でもこういったことをお願いできるのかと声をかけていただいたのがきっかけです。1、空間ストックを活用して、収益型住宅へ生まれ変わったA様宅
黒柳建設で築10年になるA様は、お子さんの独立を機にその空きスペースを活かして賃貸アパート2部屋を増築しました。もともと、1階部分を貸事務所、2・3階を自宅としてお住いでしたが、空いてしまった子供部屋分のスペースがもったいないと思い、また誰も使っていないのに掃除などの手入れをするくらいなら、自分1人ならそれなりのスペースで十分と、空間ストックを賃貸として人に貸すことにしました。特別、不動産投資や賃貸アパート経営のことを勉強されていたことはないのですが、新築時に賃貸併用住宅を提案されていたことが頭に残っていたこともあり、黒柳建設に今回のリノベーションをご依頼頂きました。2階3階をフルリフォームして内装仕上げから住宅設備に至るまで一新したので、総費用はかさみましたが手持ち資金の運用も同時に考えられていたので、自宅を収益型住宅にするための投資先に選ばれました。アパート2部屋の賃料で15年で取り戻し、その後は丸々収入となる計算です。(元からの貸事務所分は計算に入れていません)10年が経って多少汚れが気になっていたキッチンや浴室などの設備更新や、屋根・外壁の塗替えなども同時に行い、中外とも新築同様に生まれ変わり、A様には「もう一度家を建ててもらった気分」と喜んで頂けました。ウソみたいな話ですが、募集を開始したその日の内に2部屋とも決まってしまいました。担当した不動産屋さん始まって以来の最速記録となったそうです。将来お子さんが移り住んでも良いようアパートの間取りをやや広めに取り、カップルで暮らせることを念頭に再設計したので、単なるワンルームアパートよりも高めの賃料で貸せています。これは黒柳建設が賃貸併用住宅で提唱しているコンパクト1LDKの部屋づくりです。お子さんが将来結婚してここに2人で住みたいと言ってきたら家賃は幾らにしようか、が目下の課題だそうです。2、空間ストックを活用して、子世帯と三世代同居したB様宅
黒柳建設で新築して20年になるB様は、新築時に自営業の店舗とアパートを併設した自宅を建設しました。アパート部分には親族を住まわせたり、入居者を入れたりと、住宅ローン返済に大いに役立ってくれたそうです。今回、アパートの一室に住んでいた子世帯(4人家族)がそろそろ手狭なのでマンションを買って出て行こうかという話が出たので、色々と家族で話し合った結果、4部屋あったアパートのうち2部屋をつなげて1つの部屋にしてずっとここに住もうという話になりました。アパートの入居者さんにワケを話して他所へ移ってもらい、子世帯家族も近くに仮住まいを借りて引っ越しし、約2ヶ月かけてリノベーション工事を行いました。その費用はマンションを購入する予定だった子世帯の住宅資金を充てました。前年に屋根・外壁の塗替えを済ませていたので、建物内部のみのリノベーションとなり、アパートサイズで小さく20年前の古いキッチンや浴室も最新の一般住宅用設備に一新し、内装は全て新品に生まれ変わりました。合わせて内部から断熱補強を行い、一部の窓も断熱サッシに入れ替えました。お店や自宅部分への工事の影響は少なく、お店も通常通りの営業をしながらの工事となりました。子世帯夫婦の寝室、さらに2人のお子さん(B様から見てお孫さん)にはそれぞれの部屋が与えられ、内装は注文住宅同様に選んで頂きました。これから10年後20年後、子世帯夫婦のお子さんたちが独立したら、アパートの残りの部屋を改装して移ってもらってもいいし、自宅部分を相続してもいいし、今回リノベーションした部屋をファミリー向けアパートとして貸しても良いし、と将来の幅が大きく広がりました。その頃には木造住宅の区分所有と言う仕組みも世間に一般的に受け入れられているだろうと黒柳建設は考えています。事例を整理し、事例から発展する
以上、お二方の事例はいかがでしたでしょうか?お二方共、家の空間ストックを有効に活用され、住み方を上手に見なおされました。このように、元々は一つの建物だった家を別々に区切って改装することにより、家を建てた時には考えていなかった住み方の更新を実現されています。タイミングや資金ももちろん重要ですが、家に対する柔軟なお考えをお持ちだったことが今回のリノベーションの決め手だったと思います。この工事が終わって、無事にお引き渡しをして、大変だったけど印象的だった二組の案件について考えをまとめているうちに、空間ストックの活用を思いつきました。今まではお施主様のご希望に合わせた増改築の分野が、こちらからご提案の種を蒔くことができるのではないか、と感じました。余剰空間とは
空間ストックは
ストック住宅(空間ストック活用型住宅)とは