外断熱の注文住宅を建てる建築会社2代目の頭の中

住み心地とか、住む人の健康とか、家族の安心安全とか、大きな資産とか、喜び感謝クレームとか、様々に満ちている業界で色々と考えています。地域のため、日本のため、世界のため、御施主様のため、社員さん職方さん業者さん大工さんのため、自分だけにしかできない事がどんどん増えていく毎日は刺激的です。

工務店のiPad活用法④ガッカリアプリ大賞

「君は頭は良さそうなのに、話すとなんでそんなにガッカリなの?」と理不尽な質問をされます、こんにちは、東京小金井で外断熱・涼温な家を建てる工務店、黒柳建設のWEB担当/システム管理者/営業/現場監督/アフターメンテナンス/OB顧客様係の黒柳一聡です。 

さて、iPad活用法を考えると言いながら、気づいたらアプリ紹介になりつつあるこのシリーズですが、今回は敢えてガッカリアプリに光を当ててみようと思います。

ガッカリと言うからには、それなりに期待をしていたのに思っていた程使えなかった、使えるんだけどスペックが追いついていなかった、有用に活用できなかった、などきちんと何故ガッカリだったのかについても考察したいと思います。

 

 

GAKKARI AWARD 2016 @kuro-yanagi.com
1、BUFFALO WebAccess

前のブログ日記でも書きましたが、事務所のネットワークハードディスクはBUFFALO社のNAS、LINKstationを使っています。こちらのネットワークハードディスクにスマホiPadからアクセスしてデータを読み書きできるアプリがWebAccessです。

使い方としては、事務所のハードディスクを仮想クラウドとして使えるようになるため、ハードディスクの容量を増設すれば理論的には上限知らずです。

写真も動画も保存し放題で、端末さえあれば何処からでもデータを呼び出せます。
言わばDropboxEvernoteを自前で構築していることと一緒です。

実際、BUFFALO社の公式サイトでも「WebAccessはiPhoneiPadAndroidスマホから自宅のリンクステーション・テラステーションにアクセスできるアプリケーションです。まるで大容量のハードディスクを持ち歩くようにさらに便利に使えます」と紹介されています。

バイスの記憶容量を圧迫せずに外部ハードディスクを持ち歩く感覚で使えるというのが狙いのようです。自分は逆に出先でスマホタブレットから会社のハードディスクにアクセスできるという点に目をつけました。
案内図、図面、顧客リスト、カタログ、電子化されたこれらのデータを出先で閲覧できるということは、いちいち資料を準備して出かけなくてもその場で必要な情報を引き出せるということです。

これをシステムベンダーに依頼すると数百万規模のシステムを買わされるのでしょうが、無料アプリでこれができることに大きな魅力を感じてしばらく使っていました。

 

もちろん、ガッカリアプリなのでガッカリな結果に終わるのですが。

 

何がガッカリだったかと言うと、機能と使い方は良かったのですが、やはり数百GBのデータ量を保管しているNASにアクセスするにはアプリのパワーが足りなかったようでした。
しょっちゅう強制終了しましたし、タイムアウトや接続できないこともしばしばでした。


また、重いデータをいちいち呼び出すため、回線に負担を掛ける上にデータを表示するまで結構待たされるのです。

狙いと機能は良かったし、実際そういう使い方ができたのですが、使用感が悪かったのでガッカリでした。

 

 

2、アイカターiCataー

凸版印刷が提供している、総合カタログアプリです。

住宅設備、建材、資材、照明、器具メーカーが各社から好き勝手に出しているカタログを統一したフォーマットでワンアプリで取りまとめようとしたアプリです。

カタログはiCataに参加している企業が順次増刷・更新するので、常に最新のカタログが供給され、メーカー別・用途別にまとめられており、目的とするカタログに様々な角度から辿り着ける、というのが謳い文句です。

数百ページある紙のカタログを持ち歩く必要がなくなり、お客様の目の前で様々なメーカーのカタログを呼び出せるので、それこそカタログの棚を持ち歩いているのと同じことができる、とこれまた期待して使ってみました。

意欲と方向性は非常に良かったのですが、これも実際に使ってみるといくつかの点でガッカリでした。結局iCataの使用感は一言で言い表せます、「データが重い」
よくよく考えてみれば、紙で数百ページあるカタログのデータ量をなんで数十メガはあるに決まっています。お客様宅でカタログを開く度にダウンロードを待たなくてはなりません。これだったら紙のカタログを持っていった方が数段スムーズに話が進みます。

そしたらありました、プレダウンロードしてタブレット内に一時保管して持ち出す持ち出し保存機能。あらかじめ社内の無線LANなどの大容量回線でよく使うカタログをダウンロードしておけば、オフラインでも閲覧が可能というわけです。

しかしこれにも問題がありました、先ほどカタログは企業が順次更新を行うと書きましたが、持ち出し保存の数が増えれば増えるほど新しいカタログが出たらデータを更新しなければなりません。
リフォーム業で水回りとかエクステリアとかに特化した業種であれば、主要なカタログの数は限られてきますが、総合建設業たる工務店ではそうはいきません。住設、建材、資材、アクセサリ、取り扱うカタログは多岐に渡ります。

結局、iCataを使うためには事前に出先で使いそうなカタログをダウンロードし、常に更新を確認し、更新されていたらダウンロードし直さなくてはいけません。
そんなん紙でええわ!

 

そういうわけで、使ってみたはいいけれどガッカリなカタログアプリでした。

 

 

ガッカリAWARD終了のお知らせ

すみません、この2つだけでも結構お腹いっぱいになってしまったので、ガッカリアプリのご紹介は今日はここまでとします。両方ともガッカリの原因はやはりデータ量にあると感じました。


いくら容量無制限でクラウドやネットワークハードディスクにデータが保存できたとしても、結局はスマホWi-Fiの回線でダウンロードするので、それなりの時間が掛かります。

YouTubeのような動画サイトでは、ストレスなく重い動画データ再生するために、画質を落としても再生を優先したり、生データではなくサイズや容量を落としたりと様々な工夫が取られています。
が、今回紹介した2アプリは生データへダイレクトにアクセスしているので、その負荷に耐えられる設計となっていてもストレスなく使えるまではなっていなかったようです。

 

 

いずれ、データ圧縮と転送のテクノロジーが発展していけば、こういった使い方もどんどん便利になっていくことを期待しています。