工務店のブログ日記なのに、全然住宅や建築のことが出て来ないことで有名です、こんにちは、こんにちは、東京都小金井市で外断熱・涼温な家を建てる工務店、黒柳建設の国策担当/WEB担当/システム管理者/営業/現場監督/アフターメンテナンス/OB顧客様係の黒柳一聡です。
「iPad 工務店 活用」で検索をかけると、竹中工務店の活用事例がトップをほとんど占めています。
いや、あれ工務店じゃないから。スーパーゼネコンだから。
その次に位置するのが一条工務店です。
いやいやあれも工務店違うから。大手ハウスメーカーだから。
町場の工務店レベルでのIT活用法って、検索エンジンからも弾かれているんですね。
て言うか、工務店って何だろうという哲学的な深遠な疑問にぶつかりました。
ネットとの相性は?
ここを突き詰めると、地域の工務店ってそもそもこのネット社会と相性が良いのか悪いのか、これはなかなか答えに困るところです。個人の仕事術、ライフハックには多大な影響を与えていると感じますが、工務店の仕事として見るとどうなのでしょう。
今も昔も地場工務店の営業は、口コミ、チラシ、御用聞きだと言われています。
(ちなみにどれも黒柳建設の苦手分野です、ダメじゃん)
次にホームページ、施工事例(写真)、ブログ・日記です。結構前にWeb1.0とか言われていたヤツですね。
ここは私たちが10年以上前からやってきている分野で、多くのお客様とネット経由でご縁を頂きました。
今では当たり前の、検索エンジンからホームページを見にきて、それで問い合わせを下さって、契約に至るという流れは2000年以降黒柳建設の中では自然なことでした。
そういった点では、ネットを駆使して受注を取ってきた工務店と言えました(過去形)。
ですが今は2016年、単にホームページを公開しているだけで受注が頂けるような状況ではありません。
最近ではSNS、スマホファースト、検索エンジン対策とより先鋭化し、どうやってユーザに一次接触するか、そして一度ご縁を頂いたお客様とどうやって縁を繋ぎ続けるか、に移行しつつあると感じます。これは一昔前に流行ったWeb2.0の範疇です。
Web2.0という呼び方自体がすでに10年前のバズワードなので、今どき使っている人はかなりレアです。IT業界って流行の移ろいが早すぎて、その度に工務店に売付けに来るのでその相手が大変面倒です。
例)これまで売り込みに来たIT商材一覧
ホームページの制作、ブログ(Weblog)の開設、セカンドライフへの出店、twitter(ツイッター)とHPの連携、facebook(facebook)ファンページ作成、Youtube(ユーチューブ)へ動画の投稿とHPへの埋め込み、Google+(グーグルプラス)で顧客コミュニティ形成、Web2.0で双方向コミュニケーション、LINE@で簡単問い合わせ集客手法、SEO対策(リンクファームの購入)、クラウドソリューション、現場管理システム、マッチングサイト、集客誘導、比較サイト登録、リフォームポータル登録、などなどなどなど
※SNS関係はSNSそのものではなく、Webと結びつけた集客手法のセールスです。
とにかくこちらが何も知らないものだと決めてかかって、一方的に売りつけてきます。うざい。
それでも、工務店の世界のWeb活用はまだまだWeb2.0の辺りなんじゃないかな、と感じています。
現場現物主義!!
住宅という生活に寄り添った商品を扱っているため、どうしても現場・現物ベースで話を進めます。金額も大きいため、消費者の側にも直接人と面談して、現物を確認して、それから判断したいという心理が働きます。
一部には打ち合わせを全てネット経由でやり取りして竣工まで進む建築会社もあると、過去の報道で耳にしました。もしそのやり方が消費者に受け入れられているのであれば今頃もっと普及して、上記のように周辺の情報産業がガンガン売り込みに来ているはずなのでそうではなさそうです。
実際に役立つかどうかは置いておいて、売れているのであれば検討には値すると思います。
「実は今ネット上で集客できて、打合せも、契約も、ほとんどすべてネット経由で行える画期的な建築受注システムが・・・・・」
などという営業電話は一度ももらったことがありません。来たら聞くのに。
そうすると「ホームページは会社の顔」だし、「ブログは会社で働く人の自己開示・自己紹介」だけど、「ネットだけで家は建たない」と言えそうです。「ネットだけで契約まで至らない」とも言えますね。
まだまだネット経由の金銭のやり取りに不安を覚える層は大健在ですし、私たちも不安です。一度もご来社頂いたことないのに「契約したい」とか言われてもちょっと困ります。
そう考えると工務店は無理にiPadなど活用しなくても今はまだ良いのかもしれません。
そう、今はまだ、ですが。
大手の導入事例を横目に見ながら
大手ゼネコン現場ではどんどんIoT技術の導入が進んでいると耳にします。そして、その流れはいずれ町場の工務店まで必ずやってきます。
今大工さんたちが普通に使っているインパクトドライバーのような電動工具と同じレベルの道具として、情報端末が入り込んでくる、いやひょっとしたらヒトの形をしているかもしれません。
衣食住に関する職業は無くなりにくいと言われていますが、製造の段階では既にかなりの部分がロボットに置き換わっています。
人の手でできることが機械に変わられる日が来た未来、工務店の在り方と存在意義が問われることになると夢想することがあります。
気配り心配り、住み心地に対する真摯な姿勢、思いやり、気遣い、誠心誠意まごころ、そういった人の気持ちをベースに私達は家づくりと家まもりに取り組んで行きたいと思います。
家を愛する人を愛する、涼温な家
今はまだ、でもいずれ将来。
そのためにも今日iPadの活用法を考えていきたいと思っています。