長期優良住宅から始まった躍進[前編]
2016年も終わりが見えてきましたので、これまでを振り返ってみました。
黒柳建設の今までの流れを振り返る総集編
長期優良住宅の維持保全状況に関する報告がついに来た、と書いてから我々住宅業界を取り巻く様々な政策とこれからの展望について思いを馳せました。ここ数年で住宅業界は目まぐるしく変化していき、それに合わせて黒柳建設も単に家を建てるだけではなく、日本の将来を見据えて国の方向性を注視して家づくりに反映させるようになりました。2016年の締めくくりとして、取りまとめてみたいと思います。大転換の年は2009年
この年は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成20年法律第87号)」が施行された年ではありますが、2008年いっぱいでマツミハウジングでの修行を終えた社長の息子、つまり自分が黒柳建設に入社した年でもあります。もちろん、大嘘です。
やり直し
自分が新規加入したから変革が起きたなどと言う気はありませんが、様々な変化の年にちょうどいいタイミングだったと今になって思います。2009年は色々と黒柳建設にも住宅業界にも変化があった年でしたが、当時は知る由もありませんでした。ニュースレターの発行
まず、入社直後にはこれまでのOB顧客様との絆を強くするための、ニュースレター「黒柳建設通信」の発行を開始しました。掛かる手間と送料などのコストを勘案し、持続可能な形を模索し、熱量はやや低めでも必ず継続させる、こういったことを念頭にニュースレターをスタートしました。ニュースレター「黒柳建設通信」は、今では通算30号を越え、OB顧客様からも「いつも読んでいるよ」と言われるくらい定着しました。これにより、お客様との距離を再び詰めることに成功し、その成果は小工事の受注金額が毎年右肩上がりで増えていることに現れています。「長期優良住宅」は法律施行直後から取り組みを開始
次に取り組んだのが前述の長期優良住宅です。外断熱・二重通気のソーラーサーキット工法から、新換気SA-SHEの家へ「いい家をつくる会」は発展し、住み心地は進化し続けているので、ここらで国策に沿った家づくりを取り入れようと決意しました。ちょうど契約直後のお施主様から「黒柳さんは長期優良住宅とかってやってるの?」とタイミング良く聞かれましたので、これ幸いと「やったことはないですが、できます、やりましょう」と即答で長期優良住宅への取り組みを開始しました。あの時のお客様のおかげです
これまでの黒柳建設の家づくりは、外断熱の次世代省エネ基準(平成11年基準)かつ、全棟構造計算で耐震等級2を取得していたため、建物の性能はほとんどいじることはありませんでした。四苦八苦したのは書類の作成だけで、あっさりと長期優良住宅の認定を2009年初年度だけで2棟受けることができました。これ以降、長期優良住宅の認定を受けると補助金100万円が貰える、とお客様に言い続けて2009年から新築住宅の半数以上は長期優良住宅です。その全てで補助金を獲得しており、全額お施主様に還元して大変喜ばれています。新築棟数が年間10棟に満たない工務店ですが、長期優良住宅を標準化したことで新しい武器を手に入れることができました。黒柳一聡が黒柳建設に入社して、長期優良住宅に取り組むまででした。次回は、長期優良住宅への取り組みが切り開いた新しい道のお話しです。