比較サイトを用いたWEB集客などについて
新しいツールが出るとすぐに集客と組み合わせた営業をWeb屋さんはしてくるイメージがあります。
短絡的なものからしっかり練られたものもあり、聞いているだけでも勉強になります。
営業提案・プロポーザルから学ぶ
先日、とあるWeb集客系の営業提案をいくつか受けてみました。こういった営業は比較的しょっちゅうありまして、何かのリストがあるのでしょうがテンプレ的な営業トークでアポ取りの電話がかかって来ます。テレアポ営業するWeb集客支援会社
ほとんどがやや時代遅れになりつつある有料リンク購入のSEOや建築系ポータルへの出稿なので、基本的に御断りです。そもそも、ネットで簡単に集客できるのであれば、彼らこそその自慢のネット集客システムを使って集客をすれば良いわけで、わざわざ電話で営業をしている時点で既に眉唾ものです。また、いきなりこちらの話を聞かずにテンプレ口上かを捲したてたり、逆に用件も述べずに質問ばかりしてきたりと、まあ随分と失礼な感じな連絡が来るのは確かです。基本的には受けないのですが、切り口や内容が面白ければ興味は湧きます。テンプレ口上を捲したてる電話は途中でお断りしますが、ホームページを見て電話しています、と言われると「へえ、で、どうだでした?」と興味をそそられます。聞くだけはタダですし(時間は取られますが)、Web屋さんがどういった営業をしているのかにも興味があります、本当に良いものがあるかもしれません。場合によっては、足を運んで話を聞きに行きたいとも思います。わざわざ時間をさき、話を最後まで聞き、気になった点を質問して、理解を示し、最終的に話に乗らないのですからタチが悪いと我ながら思います。ごめんなさい。ちなみに、Web集客系の営業に対する鉄板の断り方は「虎の威を借る狐」です。「パパの知り合いの社長さんは・・・」的な、スネオのポジショントークと一致しています。ですがこれで大体が引き下がってくれるので、リクルートのガリバーっぷりは健在です。やはり住宅営業と言えばリクルートが雑誌(ハウジング・○○の注文住宅)もネット(スーモ)も対面(SUUMOカウンター)も制しているというイメージが強すぎるのでしょう。そもそもリクルートさんとのお付き合いは、「月刊ハウジング」が創刊された30年以上前にたまたまご縁があり定期的に出稿しているだけで、今ではSUUMOにもホソボソと掲載しているに過ぎません。嘘は言ってません、100%真実とも限りませんが。ゼロを1するのはいけませんが、1を10に見えるように一部を切り取って見せるのは多分セーフです。こんなことをこのブログ日記に書いても、通り一遍な営業はこんなとこ見ませんから平気です。そんなWeb集客系の営業提案の中から、「これは!」と感じたいくつかの手法を紹介したいと思います。1、第三者比較サイト運営による集客誘導
ネット上で調べ物をする時に参考にするものとして上位に上がるのが比較サイトやランキングサイト、口コミサイトです。それをイチから作り、ワザとらしくない程度に誘導をしようというのが「比較サイトによるWebマーケティング」です。多分、人はそれをステマと呼ぶ。「小金井 注文住宅」や「小金井 リフォーム」など、地域のビッグキーワードで検索される上位の建築会社・リフォーム会社を集めた比較サイトを運営し、その中から自社にマッチした見込客様の問い合わせを促進させるように誘導します。例えば「小金井で住み心地の良い家を求める層」には黒柳建設を上位に表示し、「ローコストでデザイン優先」などミスマッチな層には他者を上位表示するなどして差別化を行います。スーモやホームズなどのポータルでも同様のことは行なっているのですが、小金井に対応している会社の数が多すぎてユーザは選びきれません。地域に絞って特化することで、選択肢を狭め、選別していると見せかけ、ユーザの意思決定を促すことができるのです。そういった地域の比較サイト・口コミサイトはインターネット黎明期からありましたが、どれも大量生産の粗雑なものです。それこそ全く同じ作りで23区分あったりしますので、全然信頼できません。そのため、信頼される比較サイトにするにはある程度の見た目とかデザインなど手が掛かっている感が大事になります、そのため費用はそれなりに高額になってしまいます。2、大手ポータルのランキングサイトへ
スーモやホームズなどには大手ハウスメーカーから地域の工務店まで数百という建築会社が登録されています。こちらのポータルサイトは旧来の広告と同じ広告費の力学が働いていますので、私たちのような弱小工務店がどんだけ頑張っても上位に食い込むのは不可能です。テレビ、雑誌と同じように広告料をたくさん払えばそれだけ多く露出してもらえ、それだけ多くの問い合わせが頂けるという寸法です。広告料によって掲載されるスペース(ページ数)も異なっており、大手は雑誌や新聞の全面広告を出す感覚で、特設ページを出稿します。よーく読むと隅っこに(広告)とか(PR)とかある広告のページです。黒柳建設は基本的にランキングにお声すらかかりません、多分通常の出稿だけで一杯一杯で広告料など払えないと思われているのでしょう。実際、払いたくないのでお互い時間の無駄が無くて良いのですが。たま〜に気まぐれで声を掛けていただくこともあるのですが、多分週刊誌の代原みたいに予定していた誰かが落ちてしまった時の穴埋めなのでしょう(被害妄想)3、検索連動型広告との連動
ホームページとPPC広告をガッツリと組み合わせて商圏内から数の集客を実施する方法です。一定のコンバージョン率(問い合わせ率)を見込めるランディングページを作成し、定額の企画商品を用意して成約額と成約率を測定し、問い合わせ1件当たりに掛けられるコストを逆算してPPC広告(検索連動型広告)を打ちまくります。「地域+企画商品」で根こそぎアクセスを集めて、松竹梅用意したランディングページで一気に問い合わせから成約まで持って行きますので、同じような工事の回転が非常に良くなり、外装改修や設備交換など価格と分かりやすさで訴求できるリフォーム店向きだと言えます。なんと言うか、検索から会社案内、施工事例、商品、金額、申し込みフォームまでが立て板に水を流したように一直線なランディングページなので、これで十分広告料とコンサル料とホームページの運営費用が賄えるんだそうです。ひっきりなしに問い合わせが舞い込むため回転が良く、集客エンジンが回り続ける上手い仕組みだと思います。ただ、リフォーム店さんが口を揃えて言うのですが、小規模工事がひっきりなしに来て数をこなさなければならないため、ジックリと腰を据えた大型の改修工事や建て替えの相談などは相手にできなくなるとのことです。また、ランディングページが基本的に金額で訴求しているため、他に安い工事店があればそちらへ行ってしまう浮動層の集客しかできないのも難点です。あと、旬の賞味期限も短そうな手法です。プロの手法はスゴイ
どれも良いアイディアで、頼むか頼まないかはさておき「これは面白い」と感じました。やはりこういった広告と集客を専門的に行なっている会社の考えは私たちが考えることなど及びもつかないものばかりです。説明されれば理解できるのですが、では思いつくのか?実行できるのか?と問われれば答えはNOです。やはり、コンテンツSEO対策の基本に立ち返り、ユーザに有益な情報を提供する良質なコンテンツがあってこそのホームページが大切です。両輪のどちらが欠けても、安定した集客には結びつかず、それはつまりお客様になって下さるかもしれない方たちへ、私たちの思いを届ける努力が足りないということです。思いが届いたから、集客に結びつくのであって、因果関係は逆転しません。そのことを見落として、自分自社本位で考えてしまうのはいけません。手法に頼るのではなく、中身のギッシリ詰まったオウンドメディアが必要とされています。