営業電話にイライラしながら考えたダイレクトマーケティングの手法について
ダイレクトマーケティングとは単なる営業という意味を越えて、とても広い範囲の意味を指すようですが、どうも日本ではDM(ダイレクト・メール)や訪問販売を初めとする狭い分野を具体的に指す言葉として使われているような気がします。
営業活動千客万来
身も蓋もない話ですが、所在を公にし連絡先を公開している黒柳建設には有象無象の招かざる営業がやってきます。メール、電話、訪問、郵送、FAXと手段は様々で、それぞれに一長一短があり、かかる時間と手間はそれぞれに異なります。来ないで欲しい順番に、電話又は訪問、FAX、メール、郵送になります。
(超個人的な主観)そして個人的に一番イラつくのが営業の電話です。営業電話については言いたいことがたくさんあるので、次回個別に述べることとして、その他のダイレクトマーケティング手法について考えてみました。その1、営業(未承認広告)メール
営業メールは基本的にタイトルで判断して即ゴミ箱行きです。迷惑メール設定をしても、送信元を偽装しているのでほとんど役に立ちません。もういっそ、代表のアドレスはゴミメールホイホイとしてしまって、新しく非公開のメルアドでやり取りをしたほうがいいのかもしれません。また、前にもブログ日記で書きましたが、ご丁寧に問い合わせフォームから営業のコピペ広告文を送ってくる業者がいます。こちらはメールのタイトルが「お問い合わせ」とか「資料請求」なので、ワクワクしてメールを開きます。ところが営業のメールなので、期待いた分ムカつき具合も大きく、「呪われろ」と心のなかで念じながらゴミ箱へ削除しています。嫌がらせかコノヤロウ!ただ、「読ませる」という目的は果たしているので、それがまた悔しい。問い合わせフォームからの営業メールは、開封率100%です。ガッデム!その2、郵送紙媒体広告資料
逆にこちらの都合を一切考えないのは同じですが、郵送で送られてくるものは一応は目を通しています。いわゆるダイレクトメール(DM)です。カタログや商品説明、セミナーや集客支援など多種多様ですが、こちらの手隙の時に見られるので、まとめて目を通して処分しています。多分、一番まともに確認していると思います。また、見覚え聞き覚えのある会社や商品、サービスは必ずチェックしています。送り方で異なる開封率
郵送の場合、透明フィルムか紙製の封筒に封入されているものと、大判はがき扱いのものが大勢を占めます。封筒を開けずに中が確認できる透明フィルム封筒と大判はがきは初見、いわゆるファーストビューで目に止まれば結構じっくり読みます。逆に不透明な紙製封筒に封入されているものは、いちいち取り出さなくてはならないので少々手間です。しかし、処分する段になると透明フィルム封筒は燃えないゴミに分別しなければいけないので、それはそれで面倒です。その3、未承認広告のFAX
(広告FAXを参考に作った換気フィルターの注文書) 恐らくなんらかのリストがあるのでしょうが、FAXによるチラシも毎日毎日たくさん来ます。大体の広告FAXが節度を守ってA41枚の中に、必要な情報がまとめてあり、申込欄まで末尾にあるので、それほど不快ではありません。むしろ、コンパクトにまとまった書式は、何かと参考になるのでたまにしげしげと見て研究してみたりしています。内容はさっぱり頭に残りませんが。ですが、たまに複数枚に渡って興味のない広告が届くと地味にイラっとします。あ、そうそう。そういった理由から、FAXを受信しているコピー機複合機の設定を変更し、結構前からコピー機の中にデータとして受信するようにしています。不要なものはサムネイル表示だけで判断し、即ゴミ箱へ削除しているので、紙資源の無駄がなくなりました。その4、訪問営業・飛び込み営業・新規開拓
今回の最後に訪問営業ですが、これは本当にこちらの都合を一切考えずにやってきます。この辺りを定期的に回っていて~とやって来るルート営業、地域をしらみつぶしに回っている風の飛び込み営業、昔の付き合いとかどこかであった縁を頼ってくる場合の縁故営業もあります。訪問営業は用件を聞き出すまでに時間がかかるので、忙しい時に来られるとそれはそれで厄介です。ルート営業はいつものことなので「またね」で済みますし、飛び込み営業は「必要ない」で済みます。しかしアポ無しの縁故営業は邪険にできないので厄介です。せめてきちんとアポを取ってくれれば話を聞く準備くらいはするのですが・・・といつも思います。呼ばれたから行く、では確かに営業になりませんので訪問営業は大切なことは理解できます。これは私たちが新しいお客様に応対する際にも注意しなければなりません。訪問営業のバイト経験
ちなみに、私は高校生の頃に珍しくも「宅配牛乳の勧誘営業」をアルバイトでしておりました。地元、埼玉県新座市の某M字乳業です。高校生のバイトなので、週に3回、夕方5時から8時くらいまでの限られた時間で、毎月15~25件ほどの新規契約を頂いていました。今ではこうした訪問営業は難しいかもしれません。さらに浪人時代には新聞奨学生をしていたので、新聞の勧誘もしていました。こちらは販促の野球券が弱くて、洗剤ばっかり配っていたのを覚えています。訪問営業は気持ち的に本当にキツイですが、その分成約が頂けた時の喜びは大きなものになります。工務店の営業支援セミナーなどでたまに「伝説の営業マン」的な講師の人に話を聞いたりする機会もあるのですが、営業が天職と言い切る人が多くどんな商品でも惚れ込んでそれを必要としている人に届けられることが、本当に楽しい。とイキイキとしています。営業力が弱くても、お客様は好きになってくれる
黒柳建設は「家づくりがほんとうに楽しい」スタッフと職人で家を建てている職人集団です。
建築会社とか建築設計事務所と言うよりも、工房と言った方が雰囲気が近いかもしれません。そう考えると、確かに営業力は強いとは言いにくいなぁ、内に籠って外へ情報発信することにあまり積極的ではないよなぁ、綺麗にかっこ良くは難しくても外へ伝える努力を怠ってはいけないなぁ、と思っている次第です。ですが、そういった住宅営業が弱いという点を好きになってくれて、これまでにたくさんの家を建てさせて頂いたのも事実です。20年前、黒柳建設にも「営業企画部」という部署があって営業部員がいましたが、今ではありません。設計/施工/積算、これらの担当者のみで、家は建てられます。家を建てる会社に、営業部員は必要不可欠とは限らないのです。営業ではなく「伝える努力」
ですが、営業の努力をしなくてもいいわけではありません。「いい家を建ててお客様に満足してもらいたい」「お客様の幸せのために進化し続けなければいけない」とは、きちんと仕事をしている工務店であれば普通に考えていることです。「いい家を建ててお客様に満足して頂いて、そのことを世の中に伝える努力をしなければいけない」「お客様のために進化し続け、そのことを皆様に知って頂く努力をしなくてはならない」これが「営業」の本質なのではないかと思います。イケメン営業マンに生まれ変わったり、キレイなカタログを高いお金を掛けて作成したり、事務所を立派なものにしたり、見た目・見栄えを優先したりすることは自己満足でしかないと思います。営業ではなく、伝えることを大事にし、沢山の人に正しく伝える努力こそが大事だと考えています。でも、イケメンにはなりたいなぁ。どうやったらなれるのかなぁ。せめて雰囲気イケメンくらいにはなりたいなぁ。
比較サイトを用いたWEB集客などについて
新しいツールが出るとすぐに集客と組み合わせた営業をWeb屋さんはしてくるイメージがあります。
短絡的なものからしっかり練られたものもあり、聞いているだけでも勉強になります。
営業提案・プロポーザルから学ぶ
先日、とあるWeb集客系の営業提案をいくつか受けてみました。こういった営業は比較的しょっちゅうありまして、何かのリストがあるのでしょうがテンプレ的な営業トークでアポ取りの電話がかかって来ます。テレアポ営業するWeb集客支援会社
ほとんどがやや時代遅れになりつつある有料リンク購入のSEOや建築系ポータルへの出稿なので、基本的に御断りです。そもそも、ネットで簡単に集客できるのであれば、彼らこそその自慢のネット集客システムを使って集客をすれば良いわけで、わざわざ電話で営業をしている時点で既に眉唾ものです。また、いきなりこちらの話を聞かずにテンプレ口上かを捲したてたり、逆に用件も述べずに質問ばかりしてきたりと、まあ随分と失礼な感じな連絡が来るのは確かです。基本的には受けないのですが、切り口や内容が面白ければ興味は湧きます。テンプレ口上を捲したてる電話は途中でお断りしますが、ホームページを見て電話しています、と言われると「へえ、で、どうだでした?」と興味をそそられます。聞くだけはタダですし(時間は取られますが)、Web屋さんがどういった営業をしているのかにも興味があります、本当に良いものがあるかもしれません。場合によっては、足を運んで話を聞きに行きたいとも思います。わざわざ時間をさき、話を最後まで聞き、気になった点を質問して、理解を示し、最終的に話に乗らないのですからタチが悪いと我ながら思います。ごめんなさい。ちなみに、Web集客系の営業に対する鉄板の断り方は「虎の威を借る狐」です。「パパの知り合いの社長さんは・・・」的な、スネオのポジショントークと一致しています。ですがこれで大体が引き下がってくれるので、リクルートのガリバーっぷりは健在です。やはり住宅営業と言えばリクルートが雑誌(ハウジング・○○の注文住宅)もネット(スーモ)も対面(SUUMOカウンター)も制しているというイメージが強すぎるのでしょう。そもそもリクルートさんとのお付き合いは、「月刊ハウジング」が創刊された30年以上前にたまたまご縁があり定期的に出稿しているだけで、今ではSUUMOにもホソボソと掲載しているに過ぎません。嘘は言ってません、100%真実とも限りませんが。ゼロを1するのはいけませんが、1を10に見えるように一部を切り取って見せるのは多分セーフです。こんなことをこのブログ日記に書いても、通り一遍な営業はこんなとこ見ませんから平気です。そんなWeb集客系の営業提案の中から、「これは!」と感じたいくつかの手法を紹介したいと思います。1、第三者比較サイト運営による集客誘導
ネット上で調べ物をする時に参考にするものとして上位に上がるのが比較サイトやランキングサイト、口コミサイトです。それをイチから作り、ワザとらしくない程度に誘導をしようというのが「比較サイトによるWebマーケティング」です。多分、人はそれをステマと呼ぶ。「小金井 注文住宅」や「小金井 リフォーム」など、地域のビッグキーワードで検索される上位の建築会社・リフォーム会社を集めた比較サイトを運営し、その中から自社にマッチした見込客様の問い合わせを促進させるように誘導します。例えば「小金井で住み心地の良い家を求める層」には黒柳建設を上位に表示し、「ローコストでデザイン優先」などミスマッチな層には他者を上位表示するなどして差別化を行います。スーモやホームズなどのポータルでも同様のことは行なっているのですが、小金井に対応している会社の数が多すぎてユーザは選びきれません。地域に絞って特化することで、選択肢を狭め、選別していると見せかけ、ユーザの意思決定を促すことができるのです。そういった地域の比較サイト・口コミサイトはインターネット黎明期からありましたが、どれも大量生産の粗雑なものです。それこそ全く同じ作りで23区分あったりしますので、全然信頼できません。そのため、信頼される比較サイトにするにはある程度の見た目とかデザインなど手が掛かっている感が大事になります、そのため費用はそれなりに高額になってしまいます。2、大手ポータルのランキングサイトへ
スーモやホームズなどには大手ハウスメーカーから地域の工務店まで数百という建築会社が登録されています。こちらのポータルサイトは旧来の広告と同じ広告費の力学が働いていますので、私たちのような弱小工務店がどんだけ頑張っても上位に食い込むのは不可能です。テレビ、雑誌と同じように広告料をたくさん払えばそれだけ多く露出してもらえ、それだけ多くの問い合わせが頂けるという寸法です。広告料によって掲載されるスペース(ページ数)も異なっており、大手は雑誌や新聞の全面広告を出す感覚で、特設ページを出稿します。よーく読むと隅っこに(広告)とか(PR)とかある広告のページです。黒柳建設は基本的にランキングにお声すらかかりません、多分通常の出稿だけで一杯一杯で広告料など払えないと思われているのでしょう。実際、払いたくないのでお互い時間の無駄が無くて良いのですが。たま〜に気まぐれで声を掛けていただくこともあるのですが、多分週刊誌の代原みたいに予定していた誰かが落ちてしまった時の穴埋めなのでしょう(被害妄想)3、検索連動型広告との連動
ホームページとPPC広告をガッツリと組み合わせて商圏内から数の集客を実施する方法です。一定のコンバージョン率(問い合わせ率)を見込めるランディングページを作成し、定額の企画商品を用意して成約額と成約率を測定し、問い合わせ1件当たりに掛けられるコストを逆算してPPC広告(検索連動型広告)を打ちまくります。「地域+企画商品」で根こそぎアクセスを集めて、松竹梅用意したランディングページで一気に問い合わせから成約まで持って行きますので、同じような工事の回転が非常に良くなり、外装改修や設備交換など価格と分かりやすさで訴求できるリフォーム店向きだと言えます。なんと言うか、検索から会社案内、施工事例、商品、金額、申し込みフォームまでが立て板に水を流したように一直線なランディングページなので、これで十分広告料とコンサル料とホームページの運営費用が賄えるんだそうです。ひっきりなしに問い合わせが舞い込むため回転が良く、集客エンジンが回り続ける上手い仕組みだと思います。ただ、リフォーム店さんが口を揃えて言うのですが、小規模工事がひっきりなしに来て数をこなさなければならないため、ジックリと腰を据えた大型の改修工事や建て替えの相談などは相手にできなくなるとのことです。また、ランディングページが基本的に金額で訴求しているため、他に安い工事店があればそちらへ行ってしまう浮動層の集客しかできないのも難点です。あと、旬の賞味期限も短そうな手法です。プロの手法はスゴイ
どれも良いアイディアで、頼むか頼まないかはさておき「これは面白い」と感じました。やはりこういった広告と集客を専門的に行なっている会社の考えは私たちが考えることなど及びもつかないものばかりです。説明されれば理解できるのですが、では思いつくのか?実行できるのか?と問われれば答えはNOです。やはり、コンテンツSEO対策の基本に立ち返り、ユーザに有益な情報を提供する良質なコンテンツがあってこそのホームページが大切です。両輪のどちらが欠けても、安定した集客には結びつかず、それはつまりお客様になって下さるかもしれない方たちへ、私たちの思いを届ける努力が足りないということです。思いが届いたから、集客に結びつくのであって、因果関係は逆転しません。そのことを見落として、自分自社本位で考えてしまうのはいけません。手法に頼るのではなく、中身のギッシリ詰まったオウンドメディアが必要とされています。
「平成28年度 住宅の取得・改修に関する支援制度等説明会」の概要覚え書き
覚え書きとして、記録しておきます。これが本当のWebのログとしての使い方・・・・・?なのでしょうか。
表題の通り覚え書き以上、引用※平成29年度事業に関する内容については、現時点での予定であり、今後変更になる可能性があるとのことです。実質、2時間で質疑応答20分の短い時間でしたが、官僚特有の専門用語と早口で抑揚なく話す話法でほぼ時間通りに終わりました。資料を見るだけでも、平成28年度の事業の進捗と補正予算の状況、平成29年度の事業の予定がわかります。こういった説明会を毎年やってくれると、本当にありがたいです。
お客様に自由にブログを書いてもらうには[後編]
会社のホームページ管理は制作会社に任せっきりですが、様々な観点から自社管理としたいよな~と思っています。
集客の要であるWebサイトの基幹部分を外に握られているのは、精神衛生上よろしくないです。
家づくり日記の今後の展望を考える
単純にフェイスブックでいいんじゃないの?
前述の通り、現在のコミュニケーション・ツールの流れはクローズドなSNSです。facebookでファンページを作成し、そこでコミュニティを作るというのはある種妥当な流れで単純明快です。そのようなお客様のファン化に成功している事例も数多く見受けます。家づくり日記の方向性とコミュニティの構築自体はとても良いものなので、なんとか手を替え品を替え再構築したいと考えていますが、フェイスブック連動型ですとホームページ屋さんを儲けさせるだけになりそうなので躊躇しています。やるのなら自力で、がモットーなので、ホームページとTwitterの連動などの話はパスしました。結局この日記と同じで、どんなツールを使うのかではなく、どんな内容を発信するのかが大事なのです。あと、あんまりコロコロとプラットフォームを変えると、好意的に付いて来てくれる方にも失礼だと思うのです。ネットの流行り廃れは日進月歩
また、ツールに頼ったお客様のファン化・コミュニティ化はツールの流行り廃れに連動してしまう恐れがあります。そのような状況を考えると、ある特定のツールやサービスに依存するのは危険です。そうなると、アナログに紙媒体を中心とするか、自社でできるWebサービスを軸とした上で、活動への参加が気軽なもの、限定的または一般に公開できるもの、内部のやり取りはクローズな感じであるもの、といった緩やかなコミュニティ・ツール・・・と考えると何があるでしょうか?やはり紙が最強か
ニュースレターを活用する
すでにニュースレターという紙媒体のお客様限定ツールがありますので、こちらとの連動も考慮に入れたいところです。連携させるか、こちらを活かすか、雑誌の読者コーナーのような感じでやってみるのも良いかもしれません。他社の事例ではFMラジオに番組を持っていたり、会員制のOB顧客様会を運営していたり、前職は芸能事務所でファンクラブの運営をしていたなんて話も聞いたりします。こういった建築に関する需要を取り逃がさず、お客様の形になっていない要望を汲み上げる「コミュニティの仕組み作り」が大切なんだと強く感じています。こういった仕組み作りが黒柳建設のファンを作ることに繋がるのだと思います。地道にニュースレターを発行し、その中でOB顧客様のコミュニティっぽい帰属意識を意図的に感じられるような雰囲気を作っていくのが常道でしょう。ある程度の機運が高まったところで、一気にfacebookに登録して盛り上げてみたり、イベントを開催しても良いかもしれません。と、そう考えると2009年、今から8年前にニュースレター発行に踏み切ったのは英断だったと言えます。ニュースレター「黒柳建設通信」 2017年冬号と、言うわけでいつもの通り自分発自分宛ての自画自賛で締めたいと思います。すごいね、先見の明があるね、よく続いてるね、いつも楽しみにしているよ。自給自足でいいから、時たま燃料をくべて、やる気を持続させています。