高気密高断熱住宅が健康に良いと感じる自身の経験 ①アトピー編
自身の経験や体験をことさらに強調するのもどうかと思いますが、これはこれでシェアしておこうかと思ったことです。
最初にお断り
アトピー歴30年の大ベテラン
まず最初に、私はそこそこ深刻なアトピー性皮膚炎を幼少期から患っています。その治療の過程で、防衛医大で血液検査を実施したところ、大豆、卵、ネコ、ブタクサなどにアレルギーがあることが確認されました。醤油、味噌、豆腐と和食は全滅です。またホコリにも過敏に反応し、ハウスダストや花粉にも軽微ですがアレルギー反応を発症します。こう書くと結構重症なようですが、そこまで重篤ではありません。食べると蕁麻疹が出て来るほどではないので、上記の食品も普通に食べています。アトピーに悩まされてはいますが、日常生活に支障が出るほどではありません。悪名高きステロイドと長い交際期間を経て、今でも仲良くお付き合いを続けています。筒井筒の仲です。民間療法も数多く試しましたが、一番効いたのは紫外線と塩水です。つまりは、海水浴!!傷口に塩水が染み込み、苦行のようなレジャーだったことしか記憶にありません。体中の傷口に塩を擦り付ける行為、しかも皮膚が弱いところに集中する傷口、そんなアトピー患者に海水浴!!!ただの拷問です。ですが、これが何故か覿面(てきめん)に効果があり、しばらくアトピーが治まるのですからタチが悪い。よって、今でも海水浴に一定のトラウマが発動します。このように、幅広くそれなりに対策が必要なだけです。それでも相当長い年月苦しめられましたし、今なお潜伏中なだけで完治はしていません。乾燥と皮膚炎の切っても切れない関係
皮膚が常に乾燥しているため、カサカサ肌な私は、乾燥空気が本当に痒く感じます。肌は乾燥して硬くなり、ちょっとした刺激で剥がれ、カサブタはすぐにヒビが入り、さらなる痒みを誘発します。ではカサカサ肌を濡らすとどうなるか、乾燥しきった皮膚に直接水が当たると、一気に染み込んでいき、これも非常に痒い刺激となります。寝汗をかいたりするのも同様の刺激をもたらします。空気全体が乾いている冬場、エアコンやストーブの暖気は本当にピリピリ感じるほどの痒さを感じ、暖まるためにお風呂に入るとこれもまた痒くて仕方ありません。悪魔のごとくエンドレスなループです!もちろん、終わりなど見えません。しかも乾燥肌は傷口が治りにくく、自然治癒の過程でも痒くて痒くて仕方ありません。それが外断熱の家だと
外断熱の高気密高断熱住宅でももちろん乾燥はするのですが、加湿の効果が気密性で持続するので、だいぶマシに感じます。結露が生じるほど加湿してしまうのは本末転倒ですが、結露を生じにくくしている温熱環境なので、適度に加湿すると建物全体に水蒸気が行き渡り、肌が保湿されます。湿気があるので、肌が必要以上に乾燥せず、カサカサ感がぐっと抑えられます。温熱環境も良好で、家全体がほんわりと温かいので、温風暖房に頼らずに自然に生活できます。エアコンやヒーターの風を直接浴びるなどという苦行とも無縁です。(人を感知して温風を送り込むタイプのエアコンなど、アトピー患者の怨敵です)こうなるとアトピー患者としても、本当に空気がしっとりとしているように感じて、肌にも潤いが供給されるような心地になります。お風呂あがりの肌も水気が残り、それがそこまで不快ではありません。皮膚がカサカサしないだけで、こうまで違うものなのかと、自身の体ながら反応に戸惑ったものです。まったくの無意識化ですが、皮膚は敏感に反応しているんですね。寒い家は健康を害する家
無気密低断熱の家ではさらに追い打ちがあります。まず気密がないので、水蒸気が自由に外と出入りします。いくら加湿しても、湿度は一定に保たれません。常に外気の温湿度の影響下にあります。そして窓がビショビショに結露します。断熱性が均等でないので、断熱のウィークポイントで結露が生じ、カビやダニの温床となります。カビやダニはハウスダストとなり、別のアレルギー疾患の原因となります。アトピーやアレルギー以外にも、冬寒い家は体に負担をかけ続けます。これは「冷えは万病の元」とも言い、あらゆる病気を引き起こす原因とも言われています。これについては③温熱環境編にて解説します。そのような家ではアトピーが悪化するのも当たり前です。塗り薬やかゆみ止めの飲み薬は対処療法なので、合わせて住環境の改善も必要だったのです。気を張っている日中はともかく、リラックスするための自宅が乾燥して寒いとなると最悪です。サウナスーツでも着ていろと言うのでしょうか。高気密高断熱住宅の普及に努める最大の動機
住宅屋としての見地と、アトピー患者としての体感から、高気密高断熱住宅はアトピー性皮膚炎を抑制する効果は極めて大だと言えます。もちろん科学的なデータを取っているわけではありませんし、完全に個人的な主観です。しかし、外断熱の高気密高断熱住宅に住んでいる間、ほぼ全く治療をしていなかったにもかかわらず、湿疹はまるで発症しませんでした。腕などは今では言われないとわからないくらいまでに収まっています。冬でも痒みを感じにくくなり、痒くても酷く引っ搔いたりはしなくなりました。体感的には上記の理屈が一番筋が通っていると思っています。アトピー性皮膚炎や湿疹、汗疹が酷くてお悩みの方は一度住環境の見直しをされることをお勧めします。適度な温度と湿度が、皮膚炎の抑制には効果的だと思います。アトピーに苦しむ人に伝えたい
私は自身の経験から、アトピーやアレルギーなどに苦しんでいる人たちに、外断熱の高気密高断熱住宅を建てて、少しでもその苦しみを和らげたいと、真剣に考えています。皮膚が荒れているというだけで、心無い言葉を投げかける人は大勢いましたし、心が未熟な子供時代は特にそれが顕著でした。だから、アトピー患者の多くはアトピーであることをひた隠しにしようとする気持ちも痛いほど理解できます。怪しげなアトピービジネスではなく住環境の改善で症状を抑えることができた人間もいるということ、その人間はたまたま住宅産業に従事していること、その人間が高気密高断熱住宅を建てていること。「治る」とは言いませんし、私自身もアトピーになる前の「痒くない」状態を覚えていません。それでも、少しでも有益な情報となれば幸いです。ちなみに「アトピーが治る健康住宅」と謳うとアウトなので、あくまでも自分の主観からの意見とさせて頂きました。個々の症状などによって異なりますので、住宅屋からの一つの実体験からの意見としてお聞きいただければ幸いです。こんな私の体験談で良ければ、いつでもお答え致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。また、医療関係でこういう方面の研究をされている方、ぜひとも体験談を提供したいと思いますので、お気軽にお声掛け下さい。